『万物理論』グレッグ・イーガンである。初期の頃の長編だと思ったが、これの前が『順列都市』で後が『ディアスポラ』なので、若書きということではないようだ。他の作品と傾向が違うということなのだろう。
これも壮大なところや、中心になっている理論自体が、やはり読んでいてもよく理解できないというハードSFさなどは、イーガンらしいのだが、全体としてはふつうによくできたSF作品という感じで、突き抜けた感じはしなかった。
悪い作品ではないのだが『順列都市』や『ディアスポラ』のような壮絶な感じはしない。ネットでの評判はずいぶん良いようだが。
万物理論 (創元SF文庫) 文庫 – 2004/10/28
グレッグ・イーガン (著), 山岸 真 (翻訳)
内容(「BOOK」データベースより)
すべての自然法則を包み込む単一の理論、“万物理論”が完成されようとしていた。ただし学説は3種類。3人の物理学者がそれぞれの“万物理論”を学会で発表するのだ。正しい理論はそのうちひとつだけ。映像ジャーナリストの主人公は3人のうち最も若い20代の女性学者を中心に番組を製作するが…学会周辺にはカルト集団が出没し、さらに世界には謎の疫病が。究極のハードSF。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山岸/真
1962年生まれ。埼玉大学教養学部卒。英米文学翻訳家・研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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