今日の読書。『シップブレイカー』パオロ・バチガルピ。
若々しい。前半が狭い廃船の中で廃品回収をずっとやる狭い社会の話でじつに読むの息苦しい。後半になって外の世界と海洋に出て、ようやく閉鎖感から逃れるが、今度はなんか普通の話になってしまった。
環境破壊が進んで石油が枯渇した未来の話なんだけど、どんな経済や政治体制なのか、これで文化を保つことができるのかなどハードSF的な部分のつめが甘いように思える。JAノベルなのでそのへんはあまり突っ込んで構築してないように思えた。
記事関係のおすすめ『シップブレイカー (ハヤカワ文庫 SF ハ 17-3) 文庫 – 2012/8/23 パオロ・バチガルピ (著), 鈴木康士 (イラスト), 田中 一江 (翻訳)』
「石油資源が枯渇し、経済社会体制が激変、地球温暖化により気候変動が深刻化した近未来アメリカ。少年ネイラーは廃船から貴重な金属を回収するシップブレイカーとして日々の糧を得ていた。ある日ネイラーは、超弩級のハリケーンに蹂躙された後のビーチに、高速船が打ち上げられているのを発見する。船内には美しい黒髪と黒い目をした少女が横たわっていた……。『ねじまき少女』でSF界の頂点に立った新鋭が描く冒険SF。」