今日のSF『ハイブリット』ロバート・J・ソウヤー。テーマが同性愛とフェミニズム

2014年12月8日月曜日

読書

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今日のSF『ハイブリット』ロバート・J・ソウヤーである。

この前ツイッターを見ていたら、『文学』と『小説』という呼び方の違いについて『ロバート・J・ソウヤーを読んでも、文学を読んでるとは言いにくい』というつぶやきがあった。そのような例に出てくるように、SFではあるが大衆向けのベストセラー作家という位置のようだ。

この 『ハイブリット』だがネアンデルタール人を主人公にした三部作『ホミニッド』『ヒューマン』の最後である。一作めの『ホミニッド』が非常に傑作、その登場人物たちがとても立ってたので2作目の『ヒューマン』はその勢いで悪くはなかった。しかし、三作めはその勢いもなく一番出来が悪い。

作者もおなじみのキャラクターなので楽しみに書き始めたら意外とうまく回らなくてやばいと思ったのではないか。テーマの重要な一部が同性愛とフェミニズムで、ロバート・J・ソウヤーは良い作家なのだが、こういう現代的な誰が書いても異論が出て来るようなむずかしいテーマは、現代的な物の考え方を得意とするグレック•イーガンならちゃんと納得できるように書けただろうが、あまりうまく扱えていない。

最後の10Pくらいでいきなり最初の方に出て来て忘れていた『地球の磁石の傾きがひっくり返る』が出て来たら急に盛り上がった。こういうSF的なテーマを中心にしてまとめていたら良くなったかも知れない。


ハイブリッド―新種 (ハヤカワ文庫SF) 文庫 – 2005/10
ロバート・J. ソウヤー (著), Robert J. Sawyer (原著), 内田 昌之 (翻訳)

  * 文庫: 543ページ
    * 出版社: 早川書房 (2005/10)
    * ISBN-10: 4150115354
    * ISBN-13: 978-4150115357
    * 発売日: 2005/10
    * 商品パッケージの寸法: 15 x 10.8 x 2.4 cm

ネアンデルタールの物理学者ポンターは、クロマニヨンが進化した人類のいる並行宇宙とネアンデルタールが進化した自分たちの宇宙とをつなぐ恒久的な門を作ろうとしていた。クロマニヨンの子孫である遺伝学者メアリは、ポンターとの結婚を真剣に考えはじめる。だが、メアリたちの住む宇宙の地球には数万年ぶりに磁場の崩壊がせまっていた。この天変地異は、人類にいったいどんな影響を与えるのか…好評の三部作、完結篇。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
内田/昌之
1961年生、神奈川大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



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