今日のSF『終わりなく平和』ジョー・ホールドマンである!

2015年2月4日水曜日

読書

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今日のSF『終わりなく平和』ジョー・ホールドマンである!

巨匠らしいのだが名前を知らなかった。これの前作が名作だったようだ。ヒューゴー賞とネビュラ賞とジョン・W・キャンベル賞を取っているというやらと賞を取った作品のようで、読んでいてもひじょうにおもしろい。

解説で、賛否両論がある作品、とあったがそれは集団意識の話なので人称的な工夫に評価が分かれたというニュアンスだったようだが、それよりプロットの流れがどうも論理的におかしい気がする。

『宇宙の始まりを再現する実験をやったら世界が終わると気付いた』のだが、『集団意識の兵士を長く繋いだままにしておくと平和的な人格になってしまう』というということもわかったので、それを利用して平和な精神の人々を増やして政府を転覆させて『実験をやめさせる』というのは、まどろっこしくはないだろうか。

とくに全体主義的な軍事国家になってるわけでもないので、素直に実験の危険性を反対勢力にめげず主張した方が早いと思うのだが。この世界の設定が『全体主義的な軍事国家で反論が許されない社会』ならこの流れも理解できるのだが、それだと安っぽい話になってしまうので、できなかったのだろう。

『全体主義的な軍事国家で平和に目覚めた兵士が世界をピースにする』などという話ならば、現代では大人の読者は読む気が失せてしまうので、そのへんの綱渡りがあったのだろうと思われる。

結局は、『宇宙の始まりを再現する実験をやったら世界が終わる』というアイデアと『集団意識の兵士を長く繋いだままにしておくと平和的な人格になってしまう』というアイデアが思いついたので、話に入れたがうまく繋げられなかった、ということなのではないだろうか、などと思った。

終わりなき平和 (創元SF文庫) 文庫 – 1999/12
ジョー ホールドマン (著), Joe Haldeman (原著), 中原 尚哉 (翻訳)
【ヒューゴー賞・ネビュラ賞・キャンベル記念賞受賞】
神経接続による遠隔歩兵戦闘体での戦いが実現した近未来。連合国は中米の地域紛争に対し、十人の兵士が繋がりあって操作するこの兵器を投入し絶大な戦果をあげていた。一方このとき人類は、木星上空に想像を絶する規模の粒子加速機を建造し、宇宙の始まりを再現する実験に乗り出していた。解説=冬樹蛉

神経接続による遠隔歩兵戦闘体での戦いが日常化した近未来。連合国は中米の紛争に対し、十人の精神が繁がりあって操作するソルジャーボーイ小隊を投入し、絶大な戦果をあげていた。一方このとき人類は、木星の軌道上に想像を絶する規模の粒子加速機を建造、宇宙の始まりを再現する実験に乗り出していた…。名作『終わりなき戦い』から20年余年、巨匠が新たな角度から挑んだ傑作!ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ジョン・W・キャンベル記念賞受賞。

# 文庫: 530ページ
# 出版社: 東京創元社 (1999/12)
# ISBN-10: 4488712010
# ISBN-13: 978-4488712013
# 発売日: 1999/12
# 商品パッケージの寸法: 14.8 x 10.6 x 2.4 cm 




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