『制服捜査』佐々木譲。
佐々木譲はたまたまブログを何年も読んでいた。なかなか気難しい人だな、と思ったりするのだが、ずっと見てたのだからなにかしら訴えるものがあったのだろう。
それで、ありがちな話だが小説は読んだことがなかったが、ある日、日本の現在のミステリーを読まなくては思い、佐々木譲ほかいろいろ買い占めてきた。
そうしてようやく読んでみたのだが、実に素晴らしいものだった。こんなすごい作家を単に気難しいおっさんと思ってブログを読んでたのか。今では尊敬して敬愛してる。
いちばん好きなのが『制服捜査』で、これは書くのが大変だと思う。北海道、日高あたりの駐在が主人公である。ミステリーを展開するにあたって問題は二点だ。
(1)田舎なので殺人事件なんか数十年に一度くらいしか起きないはず。
(2)そもそも駐在は殺人事件の捜査をしない。
たいへんだ。とても主人公と設定に魅力があるのだが、(1)はどうしたらいいかわからない。かなり苦しんで書いてるようだ。
(2)に関しては、大雪で所轄署が動けなくて駐在が捜査しなくてはならない、などと設定を考えて作っている。法律によると日本では、駐在も殺人事件を捜査してもかまわないそうだ。一般人が逮捕することもできるくらいだから。ただ現実的には、組織が良い顔をしないだろうし、やることはないだろうと思われる。
自分で書くなら、(1)駐在が事件に巻き込まれて捜査するしかなくなる巻き込まれ型か(2)駐在が犯人に恨まれて解決しないと自分が殺される、という設定にするかな。