『ゲイトウエイ4―ヒーチー年代記』フレデリック・ポール|今日のSF

2017年12月28日木曜日

読書

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『ゲイトウエイ4―ヒーチー年代記』フレデリック・ポールである。これがちょっと半端な作品で、番外編の短編集『ゲイトウエイへの旅』のあらすじをもう一回まとめたようなへんな作りになっている。どういう事情があったのだろうか。

ヒーチーの子供と意地の悪いジャイアンっぽい人間の子供が出てくるが、これが仲が悪いようでいっしょに行動をしていて、友情のようなものが生まれる。まあ、子供ってそうだよね、とフレデリック・ポールにしては心優しい視線で描写がされているのが珍しい。

でも、子供たちの頭が実は宇宙人にスパイ装置として利用されていたと判明して、プロットの道具立てとしての役割と終えたら、あとは一切出てこなくなるあたり、フレデリック・ポールの血も涙もないストーリーテリング技術の一端がうかがわれる。

子供は話作りには便利だからもっと手綱をゆるめて子供たちの友情のいい話ですませても良かったんじゃないかな。そういうカタルシスにもっていかないところが、フレデリック・ポールらしいところである。


ゲイトウエイ4―ヒーチー年代記 (ハヤカワ文庫SF) 文庫 – 1989/2
フレデリック・ポール (著),‎ 矢野 徹 (翻訳)

内容紹介
Robinette Broadhead desperately tries to prevent the mysterious Foe from putting an end to all intelligent life in the universe

暗殺者たちが潜む球電に向けて、地球から謎のメッセージが送信された。地球に暗殺者の協力者がいたのか?メッセージの送信所は、南太平洋のムーレア地区。しかも、メッセージが送信された直後に、この地区ではヒーチー人の少年と東洋系の少女が行方不明となっていた。機械貯蔵の知性となったロビネット・ブロードヘッドは、アインシュタイン・プログラムの助力もあおいで、事実の究明に乗りだすが…宇宙創成と“失われた質量”の関係、そしてヒーチー人が畏怖する暗殺者たちの実体がついに明かされる!巨匠ポールの好評シリーズ第4部。

登録情報
文庫: 331ページ
出版社: 早川書房 (1989/02)
言語: 日本語
ISBN-10: 4150108102
ISBN-13: 978-4150108106
発売日: 1989/02




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