サラ・パレツキーの『アンサンブル』である。短編集で、なかなか力のこもったやつから、よくわからないものまで、いろいろ入っている。
音楽で言えば、アウトテイク集とかレアもの音源をあつめたアルバムみたいなもので、最初に読むには推薦しないが、意外な面を見るにはおもしろい。
変わったところでは、三人称でウォーショースキーを書いてる作品がある。解説を見ると翻訳家は気に入らなかったみたいだが、ウォーショースキーが悪魔か吸血鬼並みに書かれていておもしろい。ま、客観的に見るとそんな感じのキャラクターだと思う。これは男性と女性とで、魅力を感じている部分が違うということなのもしれない。
(三人称の作品はこれじゃなくて、もう一つの短編集『ヴィク・ストーリーズ』の方だった。
サラ・パレツキーの『ヴィク・ストーリーズ』|今日のミステリー
http://www.kandamori.net/2017/04/blog-post_19.html )
内容紹介
新聞の尋ね人広告をきっかけにヴィクが亡き母親の真実を探る「追憶の譜面」、売れっ子の女性作家との確執が思わぬ事態を招く「売名作戦」、行方不明のカメラマ ン探しの裏に潜む謎を追う「フォト・フィニッシュ」など、人気のV・I・ウォーショースキー・シリーズをはじめ、ユーモア作品や異色サスペンスまで、著者の多彩な才能がいかんなく発揮された全10篇を収録。
本邦初訳作品も交えて贈る日本オリジナル短篇集。著者より日本の読者へのメッセージも収録。
内容(「BOOK」データベースより)
著者について
1947年アイオワ州生まれ、カンザス州で育つ。カンザス大学を卒業後、シカゴ大学で政治学の博士号を取得し、以来シカゴ在住。1982年にV・I・ウォーショースキー・シリーズの第1作『サマータイム・ブルース』で作家デビュー。1988年に『ダウンタウン・シスター』で英国推理作家協会(CWA)のシルヴァー・ダガー賞を獲得。2002年には同賞のダイヤモンド・ダガー賞(巨匠賞)を受賞し、さらに2003年の『ブラック・リスト』で同ゴールド・ダガー賞も受賞した。2011年にはアメリカ探偵作家クラブ(MWA)のグランド・マスター賞(巨匠賞)に輝いた。
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