今日の読書『ソロモン王の洞窟』H・R・ハガードである!

2015年1月28日水曜日

読書

t f B! P L

 今日の読書『ソロモン王の洞窟』H・R・ハガードである!

 SFや冒険小説の系譜を語る上ではなくてはならない始祖のひとりのハガードである。誰でもハガードについて語られているのは読んでいても、じっさいに読んだ人は少ないのではないだろうか。物好きしか読まないであろう。こういう古い大衆小説は、倫理観や差別意識、エンターティメント観が現代と違うので読むのがなかなかつらいことが多い。

でも、これは古くでも出来が良かった。あまり考えて書いてるとは思えないが、たまたま無駄のない構成になっていてテンポが良い。この時代のものにしては黒人もあまり差別には書かれていない。『××は勇ましく戦い男として死んだ』 という調子のマッチョな世界観の中ではあるが、対等に描かれている。

同時代のポーのほうがよほどひどい書き方をしている。おもしろいのは、ターザンを彷彿とさせるマッチョな筋肉ヒーローが出て来るのだが、それが主人公ではなく、主人公はもうちょっと気が小さい人物がなっている。現代ならストレートにマッチョを主人公にしてるところで、そのほうが面倒がなくていいと思う。

ハガードとエドガー・ライス・バローズは同時期かと思っていたらぜんぜん違っていて、ハガードのこれが1885年で、バローズのあれやこれやが1920年代あたりだから、50年以上違う。むしろ、ポーの時代なのだな。それを思うとむしろバローズのほうが古めかしく感じる部分もあるので、ずいぶんと普遍的なないようになっている。


ソロモン王の洞窟 (創元推理文庫 518-1) 文庫 – 1972/8/25
H.R.ハガード (著), 大久保 康雄 (翻訳)

ソロモン王の時代から、暗黒大陸アフリカの奥地に眠り続けるという莫大な財宝を求めてカーティス卿とアラン・クォーターメンの一行は、一枚の地図をたよりにして出発した。砂漠の焦熱地獄を乗り越えてようやくソロモン街道にたどり着いた一行を待っていたのは……。雄渾な筆致と奔放な想像力で描く不滅の秘境大冒険小説! 本文イラスト=山本耀也

# 文庫: 336ページ
# 出版社: 東京創元社 (1972/8/25)
# ISBN-10: 448851801X
# ISBN-13: 978-4488518011
# 発売日: 1972/8/25
# 商品パッケージの寸法: 14.8 x 10.6 x 2 cm



にほんブログ村 漫画ブログ ホラー・怪奇漫画へ
にほんブログ村←気に入ったら投票してください。

このブログを検索

Translate

リンク

QooQ