今日の本『メサイア・コード』マイクル・コーディ。古本屋の50円コーナーから拾いあげた。上下2巻。
これがひじょうにできがよい。 「メサイア・コードなんてダビンチ・コードの露骨なパクリじゃないか」と思うとは思うが、これが事情がふくざつで、こっちの方が出版が先なのである。でも、その時は別なタイトルで、アメリカで出版が決まった時に、「ダビンチ・コードが売れてるから メサイア・コードに変えて出したら売れるんじゃないかしら?」と変えたらしい。ということはやはりパクリなのか。
ダビンチ・コードは内容をすっかり忘れているが、たぶん、できはこっちの方が良いと思う。イエス・キリストの遺品からDNAを解析して、奇跡の治癒を起こす能力を現代のよみがえらせると言う物。内容的には西洋の作家ではめずらしく完全に無宗教な立場を明言してるので、キリスト教関係者の間では禁書のリストに上がってしまったという。
エンターティメイント業界はあんがい保守的で、主人公が無宗教を明言すると言うのは珍しくて、ハードSFに出て来る最新鋭の知識の科学者でも、「しかし、これとは別に神は信じている」という立場を取ることが多い。
この本で主人公が神の存在を完全否定した時は、ちょっとどきどきしたな。このタブーを踏み越える感じはホラーの醍醐味に似ている。
メサイア・コード (ハヤカワ文庫NV 1090) 文庫 – 2005/8/25
マイクル・コーディ (著), 内田 昌之 (翻訳)
遺伝学者トム・カーターは、人間の遺伝子をすべて解読する装置を開発し、ノーベル賞を受賞した。だが祝賀晩餐会の直後、彼を狙う暗殺者が妻の命を奪った。 やがて妻が脳腫瘍を患っていたことが判明し、彼は自らの装置で八歳の愛娘を調べるが、脳腫瘍で一年以内に死ぬことを知る。彼は娘を救う方法を探るものの、 有効なものはなかった。残された道は、奇跡の治癒をもたらすイエス・キリストの遺伝子の謎を解くことだった。
コーディ,マイクル
1961年、アフリカ生まれ。イギリスのレスター大学を卒業。長年マーケティング関係の仕事に従事し、高収入を得ていたが、それを捨てて『メサイア・コー ド』の執筆に取りかかり、1997年に出版、ベストセラーを記録した。その後も精力的に執筆活動を展開し、話題作を次々と送り出している。現在はロンドン で妻のジェニーとともに暮らしている
内田/昌之
1961年生、神奈川大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- 文庫: 365ページ
- 出版社: 早川書房; 『イエスの遺伝子』改題書版 (2005/8/25)
- ISBN-10: 4150410909
- ISBN-13: 978-4150410902
- 発売日: 2005/8/25
- 商品パッケージの寸法: 15.2 x 10.6 x 1.8 cm





