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『リガの犬たち』 ヘニング・マンケルである。どれもが素晴らしいこのスウェーデンの作家によるシリーズである。これがいちばん有名な気がするが、シリーズの中では異色作になる。
主人公の刑事が捜査のために旧ソ連の国に行くのだが、その旧ソ連国の共産主義的な不条理感の描写にかなりのページを取られている。読んでいると誰でもカフカを思い浮かべるだろう。
それが魅力ではあるのだが、いつものヴァランダー刑事の捜査と追跡力の魅力が、その分、発揮できていないように感じる。出来は悪くはないのだが。このシリーズだとふつうに国内で犯罪捜査をしてるほうがずっとおもしろいと思う。
あと、この作品であとのシリーズでもずっと出てくる永遠の彼女と知り合うのだが、お互いの環境や好みが違いすぎるので、結婚してもすぐ別れるんじゃないか。この刑事、女性の判断力はあまりないように思う。よしたほうがいいと思うけどな。
ただヘニング・マンケル自身が映画監督イングマール・ベルイマンの娘と結婚してるので、こういう無理そうな結婚相手を好むのかもしれない。イングマール・ベルイマンに結婚の報告に行くのはビビると思う。
などということを考えながら読む。
内容紹介
海岸に一艘のゴムボートが流れ着いた。その中には、高級なスーツを身につけた二人の男の死体。共に射殺。いったい何者なのか? どうやら海の向こう、ソ連か東欧の人間らしいのだが……。小さな町の刑事ヴァランダーは、思いもよらない形でこの国境を越えた事件の主役を演じることになるのだった! 話題の警察小説第二弾。
内容(「BOOK」データベースより)
スウェーデン南部の海岸に、一艘のゴムボートが流れ着いた。その中には、高級なスーツを身につけた二人の男の射殺死体が抱き合うように横たわっていた。彼らはいったい何者なのか?どうやら海の向こう、ソ連か東欧の人間らしいのだが…。小さな田舎町の刑事ヴァランダーは、この国境を超えた事件に思いもよらぬ形で深入りすることになるのだった!注目のシリーズ第二弾。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
柳沢/由実子
1943年岩手県生まれ。上智大学文学部英文学科卒業、ストックホルム大学スウェーデン語科修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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